イーサリアムと(ETC/Ethereume)とは?

仮想通貨(暗号資産)

イーサリアム(Ethereum)は、単なる仮想通貨にとどまらず、これからのインターネットの基盤となるべく誕生した革新的なプラットフォームです。

2013年にヴィタリック・ブテリン氏が提案したこの技術は、スマートコントラクトによる自動取引や、急速に注目を集めるNFT、DeFiといった新たな経済圏を生み出しました。

この記事では、話題性の高いイーサリアム(Ethereume)について、特徴やビットコイン(BTC)との違いを中心に解説していきます。

イーサリアム(Ethereume)とは

イーサリアム(Ethereume)とは、2013年にヴィタリック・ブリテン氏により考案されたプラットフォームです。日本国内では、プラットフォームの名称である「イーサリアム(Ethereume)」とイーサリアムプラットフォーム内で使用される暗号資産(仮想通貨)の名称「イーサ(ETH)」が混同され使用されることが多いですが、両者には上記のような違いがあることを覚えておきましょう。

イーサリアム(Ethereume)には「スマートコントラクト」という機能を組み込んだ、分散型のプラットフォームという大きな特徴があります。2020年頃から「分散型金融(DeFi)」や「ノンファンジブルトークン(NFT)」などの言葉に大きな注目が集まりましたが、実はこれらの構築基盤となっていたのが、イーサリアム(Ethereume)だったのです。

同様に、プラットフォーム内で使用される暗号資産(仮想通貨)イーサ(ETH)にも注目が集まり、瞬く間に世界中で認知を拡大し、現在ではビットコイン(BTC)に次ぐメジャーな暗号資産(仮想通貨)となっています。

通貨単位ETH
時価総額(2024年7月31日時点)約60兆円
発酵上限数発行上限なし
コンセンサスアルゴリズムPoS(Proof of Stake)
ホワイトペーパーWhite Paper
公式サイトethereume.org

イーサリアム(Ethereume)の特徴

イーサリアム(Ethereume)の特徴として、以下の5つがあげられます。

  • スマートコントラクト
  • トークン規格「ERC」
  • NFT(非代替性トークン)のプラットフォーム
  • DApps(分散型アプリケーション)構築のプラットフォーム
  • DeFi(分散型金融)のプラットフォーム

それぞれ詳しく解説していきます。

スマートコントラクト

1つ目のイーサリアム(Ethereume)の特徴は、「スマートコントラクト」機能が備わっている点です。スマートコントラクトとは「人の手を介さずに契約内容を自動で実行する仕組み」のことで、よく自動販売機に例えられます。

自動販売機は私たちが必要な分のコインを投入し、ボタンを押せば勝手に飲み物が出てきますね。スマートコントラクトも同様に、あらかじめ設定された条件(トリガー)に従って、ブロックチェーン上のトランザクション(取引)やブロックチェーン外のトリガーによって実行されるプログラムです。条件を満たすことで契約は自動実行されるため、スマートコントラクトは仲介者を必要とせず、当事者同士だけで取引を行うことができます。

トークン規格「ERC」

ERCとはEthereum Request for Commentsの略称で、イーサリアムブロックチェーン上で構築されるスマートコントラクトやトークンの規格を意味します。

規格は、ルールブックのようなものです。どのようにトークンを生成し、取引されるのかをあらかじめ定めることで、同じ規格で生成されたトークンは異なるアプリやサービス間であっても相互利用することができます。

NFT(非代替性トークン)のプラットフォーム

イーサリアム(Ethereume)は、NFT(非代替性トークン)のプラットフォームとして機能する特徴があります。

NFTは「非代替性」という特性を持つデジタル資産です。簡単に説明すると、これまで偽物か本物かの判別が付かなかったデジタル資産(写真やデジタルアートなど)を、ブロックチェーン技術を用いて生成することで、それを唯一無二のものとして証明できるようになった(オリジナリティを保証できるようになった)のです。

そしてこのNFTは、ERC-721ERC-1155といったイーサリアム(Ethereume)の標準規格に基づいて発行することができ、アート、音楽、ゲームアイテムなどのデジタル資産が唯一無二の形でブロックチェーン上に記録されているのです。

DApps(分散型アプリケーション)構築のプラットフォーム

イーサリアム(Ethereume)は、DApps(分散型アプリケーション)構築のプラットフォームとしても機能します。

DAppsとは、中央集権的なサーバーや管理者を必要とせずにブロックチェーン上で動作するアプリケーションです。DAppsはイーサリアムのERC-20やERC-721の規格で構築されることが多く、異なるDAppsや取引所間でのトークンの取引が可能になります。

DeFi(分散型金融)のプラットフォーム

またイーサリアム(Ethereume)は、DeFi(分散型金融)のプラットフォームとしても非常に重要な役割を果たしています。DeFiは、従来の金融機関や仲介者を介さず、ブロックチェーン技術を利用して金融サービスを提供するエコシステムです。

より具体的に説明すると、「銀行や証券、暗号資産取引所などの金融サービスを、ブロックチェーンを活用して提供するシステム」のことを、DeFi(分散型金融)と呼びます。

現時点で展開されているDeFi関連のサービスは、イーサリアムのブロックチェーンを利用しているものが多くを占めています。そのため、DeFiはイーサリアムと縁の深いシステムと言えるでしょう。

イーサリアム(Ethereume)とビットコイン(BTC)の違い

イーサリアム(Ethereume)とビットコイン(BTC)には以下のような違いがあります。

  • 使い道
  • コンセンサスアルゴリズム
  • 発行上限枚数

それでは詳しく見ていきましょう。

使い道

ビットコイン(BTC)が主に決済や送金を目的に使用されるのに対して、イーサリアムはプラットフォームとして利用されることが多いのが特徴的です。

イーサリアムにはブロックチェーン(スマートコントラクト)を利用して、アプリケーションを開発するという主な役割があります。そして、ブロックチェーン技術を用いてできたアプリケーションを「DApps(ダップス)」と呼びます。DAppsは金融、不動産、ゲームなどさまざまな分野で実用化が進んでいます。

コンセンサスアルゴリズム

コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックチェーン上で行われる暗号資産の取引の整合性を確認する際のルールです。

イーサリアムはビットコインと同じPoW(プルーフオブワーク)というコンセンサスアルゴリズムを採用してました。しかし、PoWではマイニングに莫大な電気量を消費するため、環境に与える負荷が大きい点が以前から問題視されてきました。

そのため、イーサリアムは保有している通貨量に応じて取引の承認者を決定するPoS(プルーフオブステーク)へ移行することを表明し、2022年9月15日に完了しました。

発行上限枚

ビットコインの発行上限枚数は2,100万枚です。ビットコインは取引が成立するたびに新たに一定量が発行され、報酬としてマイナーに支払われます。なお、ビットコインが上限に達するのは2140年頃といわれています。

一方、イーサリアムには現在のところ発行上限が設定されていません。ただし、イーサリアムは発行上限がない代わりに、2021年8月に実施されたロンドンハードフォークによりバーン(焼却)が実装されました。イーサリアムの運営サイドは、バーンにより供給量を制限することで、通貨の希少性と価格の安定を担保しています。

イーサリアム(Ethereume)の課題

ここまでイーサリアムのポジティブな側面を見てきましたが、最後に課題や問題点も紹介します。

  • 発行上限が存在しない
  • 法整備が不完全である
  • ボラティリティが高い

発行上限が存在しない

イーサリアムはプラットフォームで使われる手数料として想定されているため、ビットコインのように発行上限が設定されておらずエコノミクスの拡大に合わせてトークンの枚数が増えていく可能性があります。

トークンの枚数に対して、需要が追いつけば問題はないですが供給量が需要量を超えてしまうと価格は下がります。しかしこの課題に対して、イーサリアムではガス代がBurn(焼却)される仕組みを採用しています。

この仕組みにより、イーサリアムが使われれば使われるほど新規発行枚数よりもBurn(焼却)される枚数の方が多くなり価値が保たれるのです。

発行上限が存在しないのは問題点として捉えられることが多いものの、それを解決するための試みは既に実行されています。

法整備が不完全である

イーサリアムチェーンで開発・運用されているDeFiやNFTのサービスは、次々と革新的なサービスが誕生していることもあり、法整備がまともになされていません。しかしどの国でもそれらのサービスには目を光らせており、いずれは法整備が追いついてくると思われます。

しかし、そのなかでサービスの魅力を奪うような規制をかけられてしまうと、一気に需要が減少する可能性もあるので、今後もイーサリアムを取り巻く動向には注意が必要でしょう。

ボラティリティが高い

イーサリアムに限った話ではないですが、仮想通貨(暗号資産)の大半はボラティリティ(価格変動の度合い)が非常に高いです。

イーサリアムにおいても、わずか1カ月足らずで価格が半値まで下落するといったことも起きており、これでは通貨としての信用を広く得ることは難しいとされています。

イーサリアム(Ethereume)の購入方法

最後に、イーサリアム(Ethereume)の購入方法を紹介します。

イーサリアム(Ethereume)の取引を始めるには、最初に暗号資産交換所で口座開設が必要です。国内には、多くの暗号資産交換所が存在し、それぞれ特徴があります。

自身がどのようなサービスを利用したいかを整理し、どの暗号資産交換所を利用するかを選択します。

まずは口座開設を行いましょう。

現在日本では、以下の取引所でイーサリアム(Ethereume)を購入することが可能です。

  • bitFlyer(ビットフライヤー)
  • Coincheck(コインチェック)
  • GMOコイン
  • bitbank(ビットバンク)
  • DMM Bitcoin(DMMビットコイン)
  • 楽天ウォレット
  • SBI VC Trade(SBI VCトレード)
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